秘密の陰陽師 【肆】上




「葵、アメリカに行かなくてもガーネットを制御する方法はきっと見つかる。だからそんなに早まらないでくれ」




沈黙を破ったのはお父さんで。




ぐっと拳を握りしめている。




「私の力がもうギリギリまで大きくなってるの、お父さんも陰陽師なら分かるよね?

このままだと必ずまた誰かを傷つけてしまう
次は命を奪ってしまうかもしれない…そう考えるとアメリカでの5年なんて全然我慢できる


龍王の事も、私がアメリカに行ってもし本当にそんなことをしようとしていたら…この力で…どうにかして見せる。


私は罪のない妖たちを傷つけてしまった。それはどんな理由があれ陰陽師として失格だと思うの。

私はこの仕事に誇りを持ってる。だからね、また前と同じように仕事ができるように、皆と並んで戦えるようになるために、アメリカに行く。
5年…会えなくなるのは寂しいけど連絡取れるように先生には頼んでみる」




私はまっすぐ皆の顔を見た。





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