秘密の陰陽師 【肆】上




ふと気になったことを聞いた




「どうして柊は第2妖界で忍をしていたの?」




柊は人間のはずなのに私が出会った時は第2妖界で忍として働いていた




「俺、捨てられたんだよ母親に」




少しの間があったあと、ポツリとそう言った
その横顔はどこか寂しそうで。




「ごめん…辛いこと思い出させちゃった?」




「いや、隠してるつもりはなかったんだ。
いつかは言わないといけないと思ってたしな」




そう言ってチラッとこちらを見た




大きな黒目が私を捕らえて離さない




「きいて…いいの?」




「あぁ」




そう言って私達は近くにあるロビーの椅子に座った



< 51 / 226 >

この作品をシェア

pagetop