秘密の陰陽師 【肆】上
ふと気になったことを聞いた
「どうして柊は第2妖界で忍をしていたの?」
柊は人間のはずなのに私が出会った時は第2妖界で忍として働いていた
「俺、捨てられたんだよ母親に」
少しの間があったあと、ポツリとそう言った
その横顔はどこか寂しそうで。
「ごめん…辛いこと思い出させちゃった?」
「いや、隠してるつもりはなかったんだ。
いつかは言わないといけないと思ってたしな」
そう言ってチラッとこちらを見た
大きな黒目が私を捕らえて離さない
「きいて…いいの?」
「あぁ」
そう言って私達は近くにあるロビーの椅子に座った