側婚
「結さぁ…」
「……何?」
「もしも、“好きだ!”って言ってくれる人が現れたらどうする?」
「現れないから……」
「もしもだって!
どうする?」
帆乃日の顔が近づく。
「………」
私は帆乃日の顔がない左側に動く。
「どうする?」
私が答えないでいると、また帆乃日の顔が近づく。
「………」
私はまた帆乃日の顔がない左側に動くと、壁にぶつかる。
「どうする? どうする?」
帆乃日の顔がまたまた近づく。
「もしも…現れたら……」
私は諦めて口を開く。
「現れたら?」
「断る」
「断る?
フるって事!!!」
驚いた顔をする帆乃日。
「うん」
「何で!!!」
「何でって……。
それは……」