側婚

「結！！！　後片づけにどれだけ時間がかかってるんだ！！！
さっさと持って来ないか！！！」

「すいません！！！　すぐに…」

お客様が食べ終わった食器等を乗せたお膳を私が持ち上げようとした瞬間。

「結ちゃん。それは私が持っていくから、福永さんの会計お願い」

「でも…あっ…」

奥さんが私が持っていたお膳を持つ。

「お父さんに話があるの……」

「……分かりました」

文句を言いたいんだな……。

レジの方を見ると、福永さんがスーツの上着の内ポケットから黒の財布を取り出している。

行きたくないけど…。

奥さんに頼まれたんだからしょうがない…。

行こう……。

「お待たせいたしました！
合計680円になります！！」

変に張りきりすぎかな？

福永さんは持っていた黒の財布から千円札を取り出し、青いトレーの上に置く。

「千円札をお預かりいたします」

チーン！

ジャラジャラジャラ…。

「320円のお返しになります。
ありがとうございました」

後半はおかしくなかったよね？

福永さんが黒の財布の中に私が渡したおつりとレシートをしまう。

『明日来ますよ』

本当に…来ますよね？

『必ず明日来ます！！』


本当に…本当に…来ますよね？