側婚
一人じゃなくなって、安心してたのに…。
「結婚!?」
「うん」
『私と死ぬまで一緒に生きよう!!!』
2年前、私にそう言った兼光 帆乃日(かねみつ ほのか)。
それが今日、高校を卒業して、一緒に暮らして2年も経たないうちに
「私、結婚します」
私と死ぬまで一緒に生きる事を止めてしまった帆乃日。
「結婚って…帆乃日、あんたいつの間に彼氏なんて」
「彼氏なんて居ないよ」
「……居ない?」
「うん。居ないよ」
「意味…分かんないんだけど……。あんた結婚するんでしょ?」
「そう言ったじゃん」
聞いてなかったの? みたいな顔をする帆乃日。
「言ったけど……。彼氏居ないなら、結婚出来ないじゃん!!!」
「プロポーズされたの!!!
初めて会ったその日に!!!」
「プロ…ポーズ!?」
「うん。昨日、国英(くにひで)書店に行くって言ったでしょ?」
「そこで?」
「うん。私が買おうと思ってた本を探せなくて、聞いた書店員の人に…」
「言われ…たの?」
「うん。
“ぼくと結婚してくれませんか?”って……」