側婚

「その書店員…大丈夫なの?」

「大丈夫って?」

「初めて会って、どんな人かも分からないのにプロポーズするなんておかしいでしょ!!!」

「一目惚れしたんだって。
私に」

「帆乃日に……一目惚れ?」

「うん。
私を見た一瞬で、好きになって、結婚したいと思ったんだって」

「帆乃日……」

「うん?」

「その書店員、大丈夫じゃないから!!!
絶対にその書店員と結婚しちゃダメ!!!」

「何で?」

「“何で?”って分からないの? 帆乃日に一目惚れなんて、どう考えてもおかしいじゃん!!!」

「ちょっと!!!
私に一目惚れしたのが、おかしいわけ!!!」

私が言った言葉が気にさわったらしく、怒る帆乃日。

「おかしいでしょ!!! 自分が一番よく分かってるくせに!!!」

怒る帆乃日に負けじと立ち向かう私。

「確かに!!!
確かに……10回もフラれてる私が一目惚れされるなんて…信じられない事だけど…」

「なら!!!」

「でも!!! 私も一目惚れしたの!!!

彼に……」
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