側婚

「本当に…好きなんだね……」

「だから、結婚するんでしょ」

「お金要求されたりとかしてない?」

「全然。
逆に通帳とかキャッシュカード渡された」

「もう、渡されたの?」

「うん。
昨日彼の家でね」

「彼の…家?」

「そう。
彼の両親にあいさつしたんだ」

「へぇ……。
昨日は彼の実家に泊まったんだ。
自分の実家じゃなくて」

「それは……」

帆乃日の目が泳ぐ。

「泊まったんだね。
まさか……したの?」

「………した」

「した!?」

「キス…した」

帆乃日の顔が赤くなった。

「ああ…キスね……」

「キスするの早かったかな?」

「別にいいんじゃないの?
お互いに好きなんだし」

「だよね!!」

「結婚は……早いんじゃない?

結婚する前に少しでも付き合ってみてから、結婚したら?」

「少しでもって…どのくらい?」

「1ヵ月…3ヵ月? いや、半年!!!」

「結…。
そんなに私が結婚するのが嫌?」

「嫌に決まってるじゃん!!! 死ぬまで一緒に生きようって帆乃日が言ったくせに!!! この嘘つき!!!」
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