風薫る
「……ええと」
「うん」
話したいことはまだまだ時間が足りないほどあって溢れそうなのに、取っ掛かりが掴めない。
「あ、の」
「……うん」
言い出しはやっぱり分からずに、視線が左右に泳いだ。
ええと。とりあえず状況の改善を、打開をなんとかしたい。
ええと。
「これだと歩きにくいから、こっちじゃ駄目かな」
わああ違う違う、違うんだけれど、間違って思ったことをそのまま言ってしまった……!
わ、え、どうしよう。どうしよう……!
「そっか、ごめんね。歩きにくかったか」
「えっと、わああごめんありがとう……!」
黒瀬君が戸惑いながらも握手ふうに繋ぎ直してくれた。
恋人繋ぎに焦りが増して、余計に混乱する。
落ち着こう、うん、一旦落ち着こう私。
ちょっと動揺しすぎだ。
「うん」
話したいことはまだまだ時間が足りないほどあって溢れそうなのに、取っ掛かりが掴めない。
「あ、の」
「……うん」
言い出しはやっぱり分からずに、視線が左右に泳いだ。
ええと。とりあえず状況の改善を、打開をなんとかしたい。
ええと。
「これだと歩きにくいから、こっちじゃ駄目かな」
わああ違う違う、違うんだけれど、間違って思ったことをそのまま言ってしまった……!
わ、え、どうしよう。どうしよう……!
「そっか、ごめんね。歩きにくかったか」
「えっと、わああごめんありがとう……!」
黒瀬君が戸惑いながらも握手ふうに繋ぎ直してくれた。
恋人繋ぎに焦りが増して、余計に混乱する。
落ち着こう、うん、一旦落ち着こう私。
ちょっと動揺しすぎだ。