風薫る
「うん、もちろん」
即答した私を瑞穂が驚いて見つめた。
「……彩香って毎週図書室行ってなかった?」
「二日に一回は必ず行ってるよ」
「図書室ってだいぶ古めかしいよね? そんなに面白い本あるの?」
「あるよ。確かにこの学校の図書室は古めかしいけれど、広いぶんたくさん本があるんだよ」
それにね、とにこにこしながら付け足す。
「今月は新刊が二十冊も入ったんだよ!」
「そうなんだ」
「早く借りに行かないと誰かに借りられちゃうかもしれないでしょ!」
「……だねー」
私は熱弁を振るったけれど、上手く伝わらなかったらしい。
遠い目の瑞穂に悲しくなった。
読書は途中で眠くなると言って、瑞穂はあまり本を読まない。本人曰く、「かなり苦手。無理無理」だとか。
文章によっては読みにくいものもあるけれど、基本的に何でも楽しめる私には難しい考え方をするのだ。
「別に誰も借りないよ、むしろ行かないよ。勉強場所は校内にたくさん設置されているしね」
「そうかなぁ」
私はそんなことはないので、あまり実感が湧かない。
瑞穂は呆れたような顔をした。ほら、と微妙に諭す口調なのが悔しい。
即答した私を瑞穂が驚いて見つめた。
「……彩香って毎週図書室行ってなかった?」
「二日に一回は必ず行ってるよ」
「図書室ってだいぶ古めかしいよね? そんなに面白い本あるの?」
「あるよ。確かにこの学校の図書室は古めかしいけれど、広いぶんたくさん本があるんだよ」
それにね、とにこにこしながら付け足す。
「今月は新刊が二十冊も入ったんだよ!」
「そうなんだ」
「早く借りに行かないと誰かに借りられちゃうかもしれないでしょ!」
「……だねー」
私は熱弁を振るったけれど、上手く伝わらなかったらしい。
遠い目の瑞穂に悲しくなった。
読書は途中で眠くなると言って、瑞穂はあまり本を読まない。本人曰く、「かなり苦手。無理無理」だとか。
文章によっては読みにくいものもあるけれど、基本的に何でも楽しめる私には難しい考え方をするのだ。
「別に誰も借りないよ、むしろ行かないよ。勉強場所は校内にたくさん設置されているしね」
「そうかなぁ」
私はそんなことはないので、あまり実感が湧かない。
瑞穂は呆れたような顔をした。ほら、と微妙に諭す口調なのが悔しい。