風薫る
「明日も今日と同じ場所でいいかな」
そうっと言って、ふわり、優しい目元を緩ませる木戸さん。
……ああ、と思った。
ああ、ほんと、いいなあ。
「うん。もしかしたら待たせるかもしれないけど」
答えると、木戸さんが笑った。
「大丈夫だからゆっくり来てね。待ってる」
「ごめん、待ってて」
「うん。私も待たせるかもしれないけれど」
「そしたら俺が待ってる」
「うん。待ってて」
うん、と頷く。
「じゃあ、また明日」
昨日と同じく手を振って去った木戸さんに、俺も昨日と同じく、また明日、と呟いた。
……一時間と少しって、一般的に長いのか短いのか、どっちなんだろう。
分からないけど、分からないなりに考えて言える結論といえば。
今日、
俺と木戸さんの身長差を知って、
彼女の誕生日を知って、
拗ねた横顔を知って、
向き合う瞳の透明度を知った。
そうっと言って、ふわり、優しい目元を緩ませる木戸さん。
……ああ、と思った。
ああ、ほんと、いいなあ。
「うん。もしかしたら待たせるかもしれないけど」
答えると、木戸さんが笑った。
「大丈夫だからゆっくり来てね。待ってる」
「ごめん、待ってて」
「うん。私も待たせるかもしれないけれど」
「そしたら俺が待ってる」
「うん。待ってて」
うん、と頷く。
「じゃあ、また明日」
昨日と同じく手を振って去った木戸さんに、俺も昨日と同じく、また明日、と呟いた。
……一時間と少しって、一般的に長いのか短いのか、どっちなんだろう。
分からないけど、分からないなりに考えて言える結論といえば。
今日、
俺と木戸さんの身長差を知って、
彼女の誕生日を知って、
拗ねた横顔を知って、
向き合う瞳の透明度を知った。