☆甘えん坊な彼氏☆~夢璃は俺の~
――夢璃――

「一個の差だけど。俺には、大きくて。

夢璃と同い年に生まれたかったって、何回も思った。」

愁君が言う。


「授業中とか、休み時間だって夢璃といたいし。

夢璃になんかあったら、すぐ駆けつけて行きたいし。」

「…うん。」

「けど、いつも後から気づいて…。
後からじゃ遅いのに。」

愁君が下を向く。


そんな事ない。


「もっと、早く駆けつけて夢璃にこんな思いさせたくないのに。」


分かってるから…。


「智希先輩とかがそうやって、助けてくれてるけど…。

本当は、俺が助けたい…。

大丈夫だよって、俺が抱きしめてやりたいのに…。」

ごめん、そう言って抱きしめられた。


「分かってるよ。一個下とか、気にしてない。

愁君がいいんだもん。大丈夫だよ。」

私は言った。

< 100 / 247 >

この作品をシェア

pagetop