☆甘えん坊な彼氏☆~夢璃は俺の~
――春樹がいれば。
一番、言わせたくなかった。
一番、言ってほしくなかった。
『春樹と結ばれてたかもしれない』
自分のせいでこんな事言わせたのに。
悔しくて。
「言っても、無駄だけどね。
春樹は、もうあたしの事なんか忘れてる…。」
遥香が言った。
そんなはずない。
あんなに、春樹に大切にされてた。
春樹は、そんなすぐ忘れる奴なんかじゃない。
また、会う約束したはずだろ。
「会えばいいじゃん。会いに行けば。」
俺はムキになって言った。
「なんで、そんな事言うわけ?」
「会いたいんじゃねぇの?」
「…やっぱ、智希はわかってない。」
遥香が言った。
分かんないし。
分かるはずねぇし。
お前は、何を考えてんだよ。