イジメ.COM
☆☆☆

「あたしたち、ずっと一緒だからね!」


放課後の教室でそんな声が聞こえて来て、あたしは振り向いた。


教室の後ろには仁と朱音の2人がいて、朱音が仁の手を掴んでいる。


「どうしたんだよ朱音」


「約束がほしいの。ずっと一緒だっていう」


朱音はどこか必死に見える。


不良グループの仁と朱音を、遠巻きから見つめるクラスメートたち。


昨日のことがあってから、2人の関係を気にしている生徒は多いはずだった。


「当たり前だろ」


仁は少し照れながらもそう言い、2人は肩を並べて教室を出て行ったのだった。


「里佳、どうした?」


名前を呼ばれてハッと我に返ると、目の前に蓮が立っていた。


蓮はもう帰る準備ができている。


「なんでもないよ。じゃぁ、行こうか」


あたしはそう言い、すぐに席を立ったのだった。
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