イジメ.COM
当事者である由梨は今日もいつも通りだった。


なにも変わらない由梨に安心する。


「なぁにしてんの?」


由梨を見ていたあたしに朱音がそう聞いて来た。


「え?」


「裏サイト見たよ。いいの? あんなことして」


そう聞いてくる朱音はニヤニヤと笑い、あたしの事を楽しんでるようだった。


「いいの。もうイジメなんてしないって決めたから」


「そうなんだ? 里佳もあんな風になるよ?」


朱音がそう言い、菜々花を指さした。


菜々花は毎日学校へ来ているものの、ずっと上の空だった。


授業で問題を指されても返事をしないし、クラスメートに話しかけられても返事をしない。


ただそこに座っているだけという存在だった。


あたしや蓮が話かければ反応してくれる時もあるけれど、大抵の場合は返事がなかった。
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