イジメ.COM
正直、菜々花を見ていると施設が恐ろしいと感じられる。


できればそんな場所には行きたくない。


でも、じぶんが施設へ入る以上に由梨をイジメることに苦痛を感じているのだ。


「いいよ。覚悟はできてる」


あたしはそう返事をして強く頷いた。


朱音は驚いたようにあたしを見る。


「そっかぁ。まぁ里佳がそう言ってても、どうなるかわかんないけどねぇ?」


「なにそれ、どういう意味?」


聞くと、朱音はまたニヤリとした笑顔を浮かべた。


「里佳は案外モテるからね。由梨よりも人気者だから」


朱音はそれだけ言うと、離れて行ってしまったのだった。
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