イジメ.COM
「桐嶋先輩が高校2年生の頃って、イジメとかあったんですか?」


頃合いを見計らって蓮が聞いた。


蓮の視線はメニューに向けられたままで、あくまでもなんとなく聞いてみたという雰囲気を出している。


「イジメ……?」


桐嶋先輩の表情が硬くなる。


それをあたしは見逃さなかった。


「高校生にもなって、そんなのないですよね?」


そう聞いてみると、桐嶋先輩はひきつった笑顔を浮かべる。


「そう……だね。どうだったかな、よくわからないけど……」


煮え切らない返答だ。


これはイジメがあったと肯定しているようなものだ。


あたしは蓮と目を見合わせた。


「《イジメ.com》って知ってますか?」


蓮がそう言った。


そのサイト名を聞いた瞬間、桐嶋先輩が青ざめた。
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