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人の物を壊すのは気がひけたけれど、仕方がない。


後で存分に叱られる覚悟を決めて、大き目の石を握りしめた。


「やめろ里佳！」


蓮が叫び、あたしの腕を掴んだ。


あたしはジッと蓮を睨み付ける。


「離して」


「ダメだ。器物損壊に、不法侵入だぞ」


「ネットで悪口を書く事も犯罪でしょ？　あたしはもう立派な犯罪者だから、怖くない」


強い口調でそう言うと、蓮は諦めたように手の力を抜いた。


そして、あたしの手から石を取り上げると思いっきり窓ガラスに打ちつけたのだ。


パリンッ！　と窓が割れる音が響き渡る。


あたしは驚いて蓮を見た。


蓮は割ってしまったことをすぐに後悔している様子で顔を歪めた。


「行こう」


蓮はそう言い、あたしの前を歩き出したのだった。