イジメ.COM
「離せよ!!」


由梨が暴れるが、先生の力で制御されている。


そんなに力があるように見えない立石先生にあたしは驚いた。


「由梨を離して! あたしたちは戻らない!」


「うるさいなぁお前らは」


立石先生が眉間にシワをキュッと寄せた、その時だった。


前方から走って来る人影が見えて、あたしたちは動きを止めた。


「蓮……?」


遠くからでもわかる。


あれは蓮だ。


「それなら、退学にすればいいだろ!!」


蓮が叫びながら近づいてくる。


ハッキリとその顔が認識できるようになった時、蓮はほほ笑んだ。


「またお前か」


立石先生がため息を吐き出し、由梨の手を離した。
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