イジメ.COM
その光景は見ていてとても愉快だった。


狭い檻に入れられたモルモットが共食いをしている様子を思い出す。


「これから、彼等をどうしますか?」


モニターは再び切り替わり、今度は街を歩いている3人の姿を映し出していた。


彼等はスマホが位置情報を知らせているのだと思っていたが、それは大きな間違いだった。


私たちが独自で開発した透明カメラを使用している。


球体の超小型カメラは360度をグルリと写し、羽を搭載しているためどこにでもついていくことができた。


「そうだなぁ。試しにこの3人に互いをイジメるように指示を出してみるか」


しゃがれた声の男が言った。


この中で一番の年配者だ。


彼の意見は必ずと言っていいほど通る。


「わかりました。それでは準備いたします」
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