イジメ.COM
途絶える
不良グループを説得することはやっぱり難しいことなのかもしれない。


けれど、簡単にあきらめる気はなかった。


朱音がミッションを実行しないと決めた時の表情を思い出す。


まだまだ心には重しがのしかかっているはずなのに、とても晴れやかな顔をしていた。


そして朱音は今日も両親に相談する内容を考えてくれている。


「朱音、行こう」


お昼休みになり、あたしは朱音にそう声をかけた。


最近ではこうして朱音も誘って不良グループに声をかけるようになっていた。


「仁」


教室を出ようとしていた仁に声をかける朱音。


「なんだよ」


仁はため息交じりにそう言った。


午後から学校をサボろうとするたびに朱音に声をかけられているから、さすがにうっとうしく感じている様子だ。


それでも、朱音は仁をまっすぐに見つめていた。


「お願い授業はちゃんと受けて」


「お前さ、最近なんなワケ? 俺の保護者にでもなったつもりかよ?」
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