イジメ.COM
別れよう
歩きながらも朱音は元気がなかった。


「きっと、あたしがしつこかったから仁に嫌われたんだ」


「そんなことないよ」


必死で慰めようとするが、うまく行かない。


たしかに最近のあたしたちは不良グループにしつこくつきまとっていた。


仁に嫌われたかもしれないという懸念は、簡単にはぬぐいきれない。


「最近ね、仁の噂もよく聞くようになってたの」


「噂?」


「うん。あたしとうまく行ってないから、他に女の子を作ってるって」


朱音の言葉にあたしは目を見開いた。


そんな噂を聞いたのは初めてだ。


「そんなのデマだよ。今までずっと朱音一筋だったんだから、そう簡単に他の子と付き合ったりしないでしょ?」


2人の仲の良さは学校中で誰もが知っている。


公認のカップルだ。


けれど、仁には密かにファンクラブがあるという事をあたしは知っていた。
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