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それでも、仁は言葉をやめなかった。


「言っとくけどさ、俺元々お前1人じゃなかったし。ここの3人とも同時進行だったんだよな」


仁がそう言うと、派手な女たちが黄色い悲鳴を上げる。


「それでさ、4人の中で誰がいいかなぁって――」


仁がそこまで言った時、頬を打つ音が響き渡っていた。


いつの間にか仁のすぐそばまで近づいていた朱音が、仁の頬を叩いたのだ。


朱音の頬に涙が流れている。


派手な3人組が一瞬にして静かになった。


氷ついた空気が流れる。


「仁、言いすぎ」


由梨がたしなめようとしてそう言うが、仁は聞いていなかった。


「お前もういいや。別れよう」


仁の声がやかましいボーリング場にひときわ響いて聞こえて来たのだった。
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