イジメ.COM
「朱音、イジメを実行しちゃうんじゃないかな」


今の心配はそれだった。


仁があんな態度を取り、朱音の中の強い心を壊してしまった。


それが引き金となってミッションを行う可能性は十分にある。


「そんな……」


蓮が悔しそうに歯を噛みしめたとき、「おはよう」という声が聞こえて来て朱音が教室へ入って来た。


いつもより元気な声で、ハツラツとした雰囲気の朱音にあたしは驚く。


「朱音……?」


「おはよう里佳、蓮」


ストレートの髪を緩く巻いて、ピンク色のリップを塗っている。


その姿に落胆している様子は見られなかった。


「朱音、どうしたの?」


「え? あぁ、この髪? 今朝少し早起きをして巻いてみたの」


そう言って照れ笑いを浮かべる朱音。
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