イジメ.COM
いつもより可愛い朱音に気が付いたのか、仁がこちらを気にしている。


しかし、朱音が仁に話かける様子はなかった。


「なんで……?」


「雰囲気を変えてみたかったから」


そう言う朱音は少しだけ目を伏せた。


やっぱり仁の事を気にしていないのではないようだ。


だけど、朱音の事だからもっと悩んで泣いていると思っていた。


「雰囲気を変えるついでに、自分も変わる事にしたの」


「どういうこと?」


「あたし、さっき職員室に寄ってきた。それで、立石先生に聞いて来たの《イジメ.com》のことを」


その言葉にあたしと蓮を同時に目を見開いた。


「2人とも知ってる? 世の中にはイジメ代行社っていう仕事があること」


朱音の質問にあたしと蓮は左右に首を振った。
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