イジメ.COM
なんとなく、雰囲気でわかる。


蓮はいまから大事な事を言おうとしてる。


あたしはそうわかっていながら「待って」と、蓮の言葉を止めていた。


「蓮の気持ちはわかってるつもりだよ。それを、すごく嬉しいと思う」


「じゃあ――」


「でも、今は無理」


蓮が言いかけた言葉を遮り、あたしはそう言っていた。


胸が苦しい。


蓮の気持ちを簡単に受け入れることができない自分が、歯がゆい。


「今は朱音も菜々花もすごく大変だから、あたしだけ幸せになるなんてできない」


「そんな……」


蓮か顔をしかめてあたしを見る。


友人のこととあたしのことは関係ない。


友人が大変だからって、あたしが幸せになっちゃいけないこともない。


それでもまだ心の整理がついていなかった。


せめて、2人のミッションが終ってから、蓮の気持ちに答えたいと思ったんだ。
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