イジメ.COM
「止めよう」


蓮がそう言い、一歩踏み出したその時だった。


「止めないで」


そんな声が聞こえて来て、あたしと蓮は振り向いた。


ゲームセンターがあった方向から菜々花が出て来たのだ。


「菜々花!?」


驚いて声を上げると「しっ!」と、睨まれてしまった。


「拓巳がなにかやらかさないか、ずっと後を付けて来てたの」


そう言う菜々花の手にはスマホが握られていて、画面は動画撮影になっている。


菜々花は当然のように拓巳を撮影し始めた。


拓巳はそれに気が付かず、1年生の子を脅し続けている。


クラスメートたちの態度が変化したことで、鬱憤がたまっているのかもしれない。


それを吐き出すように無抵抗な1年生に手を上げる。
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