Sweet Love
 それに気付いたあたしは、一瞬だけ腰を浮かせる。



「ちょ、ちょっと、なんで二人してこっち見て笑ってんのよ!」



 あたしは、ちょっとだけ二人に声を荒げた。



「…なんでも…ない」



 麗美は真顔に戻そうと必死だが、表情が緩みっぱなしだ。不自然に口角をぴくぴくさせながら、耐えようとしている。



「ふっ」



 萩原だけは笑いが収まってない。



「何なのよ、もう…」



 何故二人が笑っているのか、あたしにはさっぱりわからなかった。隣の牧原を見ると、きょとんとした顔で麗美と萩原を見ている。牧原も何故二人が笑っているのか、わかっていないらしい。



「…はぁ、ごめんごめん。これからどうする?」



 萩原はやっと笑いが収まったのか、あたし達に訊いてきた。特に思い付かないあたしは、ちらっと牧原に視線を投げる。



「…じゃあさ、俺の家行ってみんなでゲームしない?」



 牧原が、ここでひとつ提案を出す。



「いいんじゃない。外にいても暑いだけだし。石田と松田は何かある?」
< 113 / 199 >

この作品をシェア

pagetop