Sweet Love
「わたしは全然、ゲームでもいいよ」

「…あたしも。もう、暑いのは懲り懲り」



 だろうね、と萩原が苦笑しながら付け足した。


 もう既にアイスを食べ終わっていたあたし達は、割り勘でお会計を済ませたあと、地下鉄で牧原の家に向かった。



***



「ここだよ」



 牧原の家の前に着くと、少なくともあたしと麗美だけは驚いていた。



「ひ、広っ…」

「…すごい」



 萩原は何度か牧原の家に来たことがあるみたいで、慣れた様子で敷地内に足を踏み入れた。


 一軒家なんだけれど、まあ大きさ的には、お屋敷まではいかないけど、かなり大きい。そして、駐車場と庭の広さの見た目には、とてもびっくりする。



 ――この敷地内、何坪あるんだろ。



「何ぼーっとしてるんだよ、二人とも。早く入って」



 そわそわと落ち着きなく周囲を見渡しながら、あたしと麗美は玄関に足を踏み入れた。



「お邪魔しまーす」
「お邪魔します」
< 114 / 199 >

この作品をシェア

pagetop