Sweet Love
 程なくして、テレビにゲームの画面が映し出された。



「俺、なんか飲み物持ってくるわ。ちょっと先に進めてやってて」



 ゲームの設定を終えると、牧原はすっくと立ち上がった。



「松田も手伝ってきたら?」



 萩原が、こちらに向かってしっしっと手を仰いだ。



 なーんだ、そういうことね。

 萩原はそんなに麗美と二人でいたいのかっ。



「わかった」



 牧原とあたしは部屋を後にして、下の階のリビングルームに入った。


 牧原は奥のキッチンスペースに向かう。あたしも一緒になって牧原の後をついて行く。牧原は、大きな冷蔵庫の扉を開け、中を覗きながら言った。



「何飲むー?」

「うーん、…緑茶がいい」

「……緑茶ないから、麦茶でもいい?」

「いいよ、麦茶でも」

「ごめん、麦茶で。萩原達、何飲むかな。コーラとかもあるけど…」

「麗美は確かコーラ嫌いだったはず。みんな麦茶でいいんじゃない?」

「…そうだな。麦茶にするか。松田、あっちの食器棚からグラス取ってくれる? なんでもいいから」

「ハーイ」



 牧原の指示通り、グラスを人数分出そうとしたそのとき――。
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