Sweet Love
玄関でローファーに履き替えていると、遠くから廊下を走って来る足音が耳に届いた。
その足音は荒い息遣いと共に、どんどんあたしの方へと近付いてくる。
「…牧原」
髪を乱しながら走ってきたのは、牧原だった。
「な…んで、先に帰るんだよ」
「…ごめん…」
牧原は素早くスニーカーに履き替える。どうやら怒ってはいないようだ。
「行くぞ」
「あ、うん」
あたし達はそのまま学校の校門を抜け、いつものように坂を下っていく。
「あのさ、今日お前様子変じゃない? 昼休みくらいから」
「……そんなことないけど」
「…そんなことあるって。お前さっき、わざと目合わせないように先に行っただろ。あんなのバレバレだから」
げ。…バレてたのかあ。
牧原には敵わないな、と思いながら、さっきの変な怒りはもうすっかり消え失せていた。
「ごめん、牧原。あ、さっきちゃんと萩原に漫画渡しといたから」
「さっき見てたし」
あんた、見てたのかいっ!
「牧原。あんたこのあと、暇?」
「…特に予定は入ってないけど」
「じゃ、アイス食べに行こう。暑くて家まで持たないかも、あたし」
牧原は長い息を吐き出す。仕方ないといった様子で「じゃあ、行くか」と言ってくれた。
あたし達はそのまま駅前通りに行くと、この間四人で行った 『あいすくりーむ』へと入った。
その足音は荒い息遣いと共に、どんどんあたしの方へと近付いてくる。
「…牧原」
髪を乱しながら走ってきたのは、牧原だった。
「な…んで、先に帰るんだよ」
「…ごめん…」
牧原は素早くスニーカーに履き替える。どうやら怒ってはいないようだ。
「行くぞ」
「あ、うん」
あたし達はそのまま学校の校門を抜け、いつものように坂を下っていく。
「あのさ、今日お前様子変じゃない? 昼休みくらいから」
「……そんなことないけど」
「…そんなことあるって。お前さっき、わざと目合わせないように先に行っただろ。あんなのバレバレだから」
げ。…バレてたのかあ。
牧原には敵わないな、と思いながら、さっきの変な怒りはもうすっかり消え失せていた。
「ごめん、牧原。あ、さっきちゃんと萩原に漫画渡しといたから」
「さっき見てたし」
あんた、見てたのかいっ!
「牧原。あんたこのあと、暇?」
「…特に予定は入ってないけど」
「じゃ、アイス食べに行こう。暑くて家まで持たないかも、あたし」
牧原は長い息を吐き出す。仕方ないといった様子で「じゃあ、行くか」と言ってくれた。
あたし達はそのまま駅前通りに行くと、この間四人で行った 『あいすくりーむ』へと入った。