Sweet Love

第3章

「あっつい。ああ、暑い!」



 あたしは独り言を叫びながらフラフラと窓に駆け寄り、自分の部屋の窓を全開に開けた。



「どうしてうちには、居間にしかクーラーついてないのよっ!」



 お風呂上がりだったあたしは、今、暑くて倒れそうな状態。さっきはドライヤーの熱風のせいで軽い目眩を感じたほどだ。せっかくお風呂に入ったのに、顔にはふつふつと汗が浮き出ている。


 これだから嫌なのだ。夏は。暑いのは、本当に苦手。こういう時期のお風呂上がりは必ずのぼせてしまう。



 ――しばらくシャワーにしよう。



 そんなことを考えながら、外に向かってぶはぁ、と息を吐く。



「涼しい…」



 あたしは、窓縁に頬杖をつきながら夜空を見上げた。星を探してみたけれど、オレンジ色の街灯の光が邪魔をしてちゃんと見えない。


 星を見るのを諦めて体の向きをくるりと変えると、ふと机の上の携帯に目がいった。



「あ!」



 机に置いてあった携帯を持ちながら、ベットに勢いよく座ると、ベットが一瞬沈んで跳ね上がった。



 ……先輩からの返信来たあ!!



 わくわくしながらメールを開くと、



『いいよ』



 ――え。これだけ?

 初めての、誠二先輩からの返信が『いいよ』だけって…。



 先ほどご飯を食べる前、予めあたしの方から誠二先輩にメールを送っていた。


 内容は、こう。



『麗美の友達の裕子です! 今日は、ありがとうございました。先輩とこれから少しずつ仲良くなれたら良いなあって思ってます。是非よろしければ今度、一緒にご飯にでも食べに行きませんか?』



 と、顔文字と絵文字を所々に使い分けて送った返信が、これだ…。


 思わず、溜め息が漏れてしまう。
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