Sweet Love
***
その日の昼休みが終わったあと、授業中に酷い頭痛と眩暈を感じたあたしは、授業を抜け出して保健室へと向かっていた。
麗美に「一人で保健室行ける? 大丈夫?」と心配されたけれど、あたしは笑顔で「大丈夫だよ」と言って一人で教室を出た。
もしかして、昨日ずっと窓開けっ放しにしていたからそれで――。
午前中は全然何ともなかったのに。
若干よろめきながらも、無事に保健室に辿り着いたあたしは、ドアをノックした。
「はーい」
保健室のあゆみ先生のきれいな高い声が返ってくる。あたしはドアを開け、保健室の中へ足を踏み入れた。
「…あの、先生。ちょっと具合悪くて。少し横になりたいんで、ベッド借りてもいいですか」
「あら、どうぞどうぞ。使って」
あゆみ先生は、にこりと微笑みながら席を立つ。
ベッドの方を見ると、ふたつあるうちの入口側のベッドに薄いイエローのカーテンが引いてあった。
「あ、隣は他の生徒さんが使っているから、こっちね」
「あ、ハイ。すいません」
あたしは上履きを脱いで床に並べ、そのまま窓側のベッドに上がり、仰向けの状態になる。
「あなた一年生よね? お名前は?」
あたしを上から覗き込むあゆみ先生の長い髪が、さらっと肩から落ちた。
「…松田です」
あゆみ先生は、その落ちた長い髪を片耳にかける。
「松田さんって言うのね。…うん、覚えとくわね。どこか、痛いところはある?」
「…頭痛いのと、あと少し眩暈があるのと身体がちょっとだるいです…」
その日の昼休みが終わったあと、授業中に酷い頭痛と眩暈を感じたあたしは、授業を抜け出して保健室へと向かっていた。
麗美に「一人で保健室行ける? 大丈夫?」と心配されたけれど、あたしは笑顔で「大丈夫だよ」と言って一人で教室を出た。
もしかして、昨日ずっと窓開けっ放しにしていたからそれで――。
午前中は全然何ともなかったのに。
若干よろめきながらも、無事に保健室に辿り着いたあたしは、ドアをノックした。
「はーい」
保健室のあゆみ先生のきれいな高い声が返ってくる。あたしはドアを開け、保健室の中へ足を踏み入れた。
「…あの、先生。ちょっと具合悪くて。少し横になりたいんで、ベッド借りてもいいですか」
「あら、どうぞどうぞ。使って」
あゆみ先生は、にこりと微笑みながら席を立つ。
ベッドの方を見ると、ふたつあるうちの入口側のベッドに薄いイエローのカーテンが引いてあった。
「あ、隣は他の生徒さんが使っているから、こっちね」
「あ、ハイ。すいません」
あたしは上履きを脱いで床に並べ、そのまま窓側のベッドに上がり、仰向けの状態になる。
「あなた一年生よね? お名前は?」
あたしを上から覗き込むあゆみ先生の長い髪が、さらっと肩から落ちた。
「…松田です」
あゆみ先生は、その落ちた長い髪を片耳にかける。
「松田さんって言うのね。…うん、覚えとくわね。どこか、痛いところはある?」
「…頭痛いのと、あと少し眩暈があるのと身体がちょっとだるいです…」