Sweet Love
それからチケットを購入したあと、上映までまだ少し時間があるため、あたしと誠二先輩はコンセッションへと向かった。
上の看板メニューを見上げながら、長い行列ができた最後尾に並ぶ。
メニューには、映画を観るには欠かせないポップコーンはもちろん、チュロスやフライドポテト、いももちなんかもあった。
「ポップコーンは絶対買おう」
先輩はメニューを見上げたまま、まるで独り言のように小さく呟いた。
笑っているのがばれないよう顔を少し背けたあたしは、先輩が可笑しくて両手で顔半分を覆い隠した。
笑い声を出さないよう震えながらじっと耐えていると、「ねえ」と横から声を掛けられる。あたしは緩んだ口許を引き締め、先輩の方に振り返った。
「順、もう回ってきたんだけど」
「あ…」
あたしは開いてしまった空間を慌てて駆け抜け、既にカウンター前まで進んでいた先輩の横に並んだ。
「ご注文、お決まりですか?」
見た目が若そうな女性の店員が、営業スマイルを浮かべる。誠二先輩はさっそく注文をし始めた。
「ポップコーンのバターしょうゆひとつと、唐揚げと、チュロスと、ポテトフライ。それと…」
…え。
待った。何でそんなに注文してるの、先輩。
食べれるの…?
「あ。…あと、ワッフルもひとつ」
女性店員が、若干顔を引きつらせて、「以上でよろしいですか?」と尋ねる。
「いや、まだ。裕子さん、飲みものは?」
ちょっとドン引きしながらもあたしは 、「…アイスティー、で」と答える。
「じゃあ、アイスティーとコーラで。他に食べたいのある?」
「いえ、わたしは大丈夫です…」
「…じゃあ、以上で」
女性店員が注文内容を復唱し終えると、誠二先輩は「ハイ」と言いながら確認するように頷き、お会計を済ませようとした。
上の看板メニューを見上げながら、長い行列ができた最後尾に並ぶ。
メニューには、映画を観るには欠かせないポップコーンはもちろん、チュロスやフライドポテト、いももちなんかもあった。
「ポップコーンは絶対買おう」
先輩はメニューを見上げたまま、まるで独り言のように小さく呟いた。
笑っているのがばれないよう顔を少し背けたあたしは、先輩が可笑しくて両手で顔半分を覆い隠した。
笑い声を出さないよう震えながらじっと耐えていると、「ねえ」と横から声を掛けられる。あたしは緩んだ口許を引き締め、先輩の方に振り返った。
「順、もう回ってきたんだけど」
「あ…」
あたしは開いてしまった空間を慌てて駆け抜け、既にカウンター前まで進んでいた先輩の横に並んだ。
「ご注文、お決まりですか?」
見た目が若そうな女性の店員が、営業スマイルを浮かべる。誠二先輩はさっそく注文をし始めた。
「ポップコーンのバターしょうゆひとつと、唐揚げと、チュロスと、ポテトフライ。それと…」
…え。
待った。何でそんなに注文してるの、先輩。
食べれるの…?
「あ。…あと、ワッフルもひとつ」
女性店員が、若干顔を引きつらせて、「以上でよろしいですか?」と尋ねる。
「いや、まだ。裕子さん、飲みものは?」
ちょっとドン引きしながらもあたしは 、「…アイスティー、で」と答える。
「じゃあ、アイスティーとコーラで。他に食べたいのある?」
「いえ、わたしは大丈夫です…」
「…じゃあ、以上で」
女性店員が注文内容を復唱し終えると、誠二先輩は「ハイ」と言いながら確認するように頷き、お会計を済ませようとした。