Sweet Love
川沿いに辿り着くと、せせらぎの音が小さく聞こえてきた。
やがて、みなが集合すると先生が説明し始めた。
「今日は、女子は3km。男子は5km走ってもらうから。折り返し地点に他の先生方が待機してるから折り返してここに集合すること。長距離だから無理に飛ばすなよー!」
「はーい」
クラスのみんなが間延びした声で返事をすると、それぞれ走る位置についた。
「よし。じゃあ、女子からスタート」
笛の音を合図にうちのクラスの女子は走り始めた。
3kmも走るなんて、はっきり言ってごめんだ。
あたしは、やる気のないスタートダッシュで足を踏み切った。
前方では麗美が走っている。あたしは横に付きたい思いで、少しスピードを巻き上げ、追い付こうとした。
「麗美ぃー!」
麗美のシュシュで縛った髪の束が、走る度に横に揺られている。
「裕子!」
「一緒に走ろう?」
「いいよっ」
麗美は涼しい顔で微笑んだ。
――何なの。その余裕ぶりは。
「ハァ…ハァ…っ…麗美、あんた速くない?」
「え、そんなことないよ?」
けろっとした顔で麗美は言った。
「先生、言ってた…じゃん。あんまり、飛ばすなって」
「うん、言ってた。今そんなに飛ばしてないよ?」
「……っ」
こっちは額から汗が噴き出しているというのに、麗美はあまり汗をかいていない。
しばらく麗美のペースで一緒に走っているけど、先ほどよりも呼吸が大幅に乱れ、息が苦しい。完全にあたしの身体は疲れで悲鳴を上げていた。
やがて、みなが集合すると先生が説明し始めた。
「今日は、女子は3km。男子は5km走ってもらうから。折り返し地点に他の先生方が待機してるから折り返してここに集合すること。長距離だから無理に飛ばすなよー!」
「はーい」
クラスのみんなが間延びした声で返事をすると、それぞれ走る位置についた。
「よし。じゃあ、女子からスタート」
笛の音を合図にうちのクラスの女子は走り始めた。
3kmも走るなんて、はっきり言ってごめんだ。
あたしは、やる気のないスタートダッシュで足を踏み切った。
前方では麗美が走っている。あたしは横に付きたい思いで、少しスピードを巻き上げ、追い付こうとした。
「麗美ぃー!」
麗美のシュシュで縛った髪の束が、走る度に横に揺られている。
「裕子!」
「一緒に走ろう?」
「いいよっ」
麗美は涼しい顔で微笑んだ。
――何なの。その余裕ぶりは。
「ハァ…ハァ…っ…麗美、あんた速くない?」
「え、そんなことないよ?」
けろっとした顔で麗美は言った。
「先生、言ってた…じゃん。あんまり、飛ばすなって」
「うん、言ってた。今そんなに飛ばしてないよ?」
「……っ」
こっちは額から汗が噴き出しているというのに、麗美はあまり汗をかいていない。
しばらく麗美のペースで一緒に走っているけど、先ほどよりも呼吸が大幅に乱れ、息が苦しい。完全にあたしの身体は疲れで悲鳴を上げていた。