Sweet Love
手を掛けたカーテンが、向こう側から捲られる。
寝ぼけまなこを擦りながら、出てきたのは――。
「せんぱ…」
そこにいたのは、なんと誠二先輩だった。
あたしは、つい立ち上がってしまった。
「あれ?」
誠二先輩は目を丸くさせながら、あたしと牧原を交互に見た。
「あ、ごめん。ひょっとして俺、お邪魔だった?」
「……」
牧原は如何にも気まずそうな顔で、その場に立ち尽くしていた。
「あ、いいえ、全然。すいません。起こしちゃったみたいで…。また寝不足ですか」
誠二先輩の黒い髪が変な方向にはねていて、思わずあたしは笑ってしまう。
「ああ…。うん、まあ、そんな感じ」
誠二先輩は適当に手櫛で髪を直しているけど、全く髪のはね具合は変わっていない。
そのとき、突然ガチャ、と扉が開けられ、保健室に誰かが入ってきた。
「迎えに来たよ、誠二。早くお昼食べ……あれ? 麗美ちゃんのお友達?」
なんか、優希先輩って誠二先輩の彼女みたい…。
苦笑しながらあたしは軽く会釈した。
笑顔で入ってきたのは優希先輩で、その後方に誰かがもう一人入ってくる気配がしてあたしは目をやる。
「裕子! 大丈夫?」
ひょっこりと優希先輩の後ろから顔を出した麗美は、あたしの方に駆け寄って来た。
「萩原くんから聞いたよ。怪我、大丈夫?」
「大丈夫よ」
笑顔で返すと、麗美は安堵したのか、「よかったあ…」と胸に手を当てながら言った。既に麗美は制服姿に戻っていた。
「あれ? 萩原はどうしたの?」
「萩原くんなら今、教室で漫画読んでるよ。それで裕子を迎えに行こうとしてたら、優希さんに偶然会って。優希さんも兄ちゃん保健室で寝てるから迎えに行くって言ってたし、一緒に来たの」
「そうだったんだ」
「俺、教室戻るわ」
「あ、うん」
突然牧原はそう言って、そのまま保健室を出て行ってしまう。
そのあと、誠二先輩と優希先輩も一緒になって出ようとしたので、あたしは慌てて呼び止めた。
「誠二先輩!」
寝ぼけまなこを擦りながら、出てきたのは――。
「せんぱ…」
そこにいたのは、なんと誠二先輩だった。
あたしは、つい立ち上がってしまった。
「あれ?」
誠二先輩は目を丸くさせながら、あたしと牧原を交互に見た。
「あ、ごめん。ひょっとして俺、お邪魔だった?」
「……」
牧原は如何にも気まずそうな顔で、その場に立ち尽くしていた。
「あ、いいえ、全然。すいません。起こしちゃったみたいで…。また寝不足ですか」
誠二先輩の黒い髪が変な方向にはねていて、思わずあたしは笑ってしまう。
「ああ…。うん、まあ、そんな感じ」
誠二先輩は適当に手櫛で髪を直しているけど、全く髪のはね具合は変わっていない。
そのとき、突然ガチャ、と扉が開けられ、保健室に誰かが入ってきた。
「迎えに来たよ、誠二。早くお昼食べ……あれ? 麗美ちゃんのお友達?」
なんか、優希先輩って誠二先輩の彼女みたい…。
苦笑しながらあたしは軽く会釈した。
笑顔で入ってきたのは優希先輩で、その後方に誰かがもう一人入ってくる気配がしてあたしは目をやる。
「裕子! 大丈夫?」
ひょっこりと優希先輩の後ろから顔を出した麗美は、あたしの方に駆け寄って来た。
「萩原くんから聞いたよ。怪我、大丈夫?」
「大丈夫よ」
笑顔で返すと、麗美は安堵したのか、「よかったあ…」と胸に手を当てながら言った。既に麗美は制服姿に戻っていた。
「あれ? 萩原はどうしたの?」
「萩原くんなら今、教室で漫画読んでるよ。それで裕子を迎えに行こうとしてたら、優希さんに偶然会って。優希さんも兄ちゃん保健室で寝てるから迎えに行くって言ってたし、一緒に来たの」
「そうだったんだ」
「俺、教室戻るわ」
「あ、うん」
突然牧原はそう言って、そのまま保健室を出て行ってしまう。
そのあと、誠二先輩と優希先輩も一緒になって出ようとしたので、あたしは慌てて呼び止めた。
「誠二先輩!」