Sweet Love
――ジリリリリ~。
目覚まし時計の耳障りな音が部屋に鳴り響く。わたしは眠たい目を擦りながらもう一方の手で時計を止めた。
「えっ…! もうこんな時間…」
わたしは体を起こして、大きく伸びをした。
カーテンの隙間からは太陽の白い光が射し込んでいる。
――それにしても、すごく良い天気だ。
窓を閉めきっていても、スズメの鳴き声がはっきりと耳に届いていた。
…もうちょっと寝ていたかった。
昨晩わたしは、今日からの高校生活が始まる興奮で夜はなかなか寝付けられなかった。
だから少し寝不足。
早く準備しないと…。
今日からわたしは高校生になる。
着慣れていない新品の制服に、袖を通すとシュっと音が鳴った。
紺のブレザーに、チェックのスカート。
斜線が入った真っ赤なリボン。
数ヶ月前から憧れていた制服。
ストレートな黒髪をくしで丁寧に整えると、全身鏡を見て再確認する。
よし…!
気合いを込めて両手でガッツポーズしたわたしは、急いで階段を駆け下りた。
リビングに入ると、トーストの香ばしい匂いとコーヒーの香りが部屋中に充満していた。
「おはよう...」
「おっそよー」
リビングの椅子に座って新聞を広げながらこちらの方を横目で見てくる兄ちゃん。ニヤニヤと口角を上げている。いつ見てもその顔が憎たらしい。
わたしの兄、誠二(せいじ)兄ちゃん。
高校三年生。
兄ちゃんはわたしが今日から通おうとしている鷲塚高等学校に在学している。
「入学式なのに寝坊なんかして…。早く朝飯食え。間に合わないぞ」
「わかってるもん」
目覚まし時計の耳障りな音が部屋に鳴り響く。わたしは眠たい目を擦りながらもう一方の手で時計を止めた。
「えっ…! もうこんな時間…」
わたしは体を起こして、大きく伸びをした。
カーテンの隙間からは太陽の白い光が射し込んでいる。
――それにしても、すごく良い天気だ。
窓を閉めきっていても、スズメの鳴き声がはっきりと耳に届いていた。
…もうちょっと寝ていたかった。
昨晩わたしは、今日からの高校生活が始まる興奮で夜はなかなか寝付けられなかった。
だから少し寝不足。
早く準備しないと…。
今日からわたしは高校生になる。
着慣れていない新品の制服に、袖を通すとシュっと音が鳴った。
紺のブレザーに、チェックのスカート。
斜線が入った真っ赤なリボン。
数ヶ月前から憧れていた制服。
ストレートな黒髪をくしで丁寧に整えると、全身鏡を見て再確認する。
よし…!
気合いを込めて両手でガッツポーズしたわたしは、急いで階段を駆け下りた。
リビングに入ると、トーストの香ばしい匂いとコーヒーの香りが部屋中に充満していた。
「おはよう...」
「おっそよー」
リビングの椅子に座って新聞を広げながらこちらの方を横目で見てくる兄ちゃん。ニヤニヤと口角を上げている。いつ見てもその顔が憎たらしい。
わたしの兄、誠二(せいじ)兄ちゃん。
高校三年生。
兄ちゃんはわたしが今日から通おうとしている鷲塚高等学校に在学している。
「入学式なのに寝坊なんかして…。早く朝飯食え。間に合わないぞ」
「わかってるもん」