Sweet Love
第3章
次の日のこと。
今日の空は朝から灰色の雲がかかっている。今にも雨を降らせそうな怪しい天気だった。
教室に向かいながら、わたしは憂鬱な気分に陥っていた。憂鬱だと思うのはこの天気のせいもあるけど、大半は昨日のことが原因だった。
――折り畳み傘持ってきたっけ…。
あとででいいや。
教室に入ってから確認しよう。
わたしは教室の後ろから引き戸を開けて中に入る。裕子は既に教室に居たけれど、萩原くんはまだ来ていないようだった。わたしは安堵の息を吐いて、自分の席に向かう。
裕子はこちらに振り向いて、わたしに手を振った。この時間帯に裕子が教室に居るのは珍しいな、と思う。普段はわたしが先だけど、何故か今日は彼女の方が早かった。
「おはよう、麗美!」と、裕子は言う。
「おはよう。早いんだね、今日は」
「な~んか早く起きすぎたんだよねえ、今日」
「わたしもだよ。昨日変な時間にいっぱい寝ちゃった」
笑顔を浮かべつつ、席の上に鞄を置いて、椅子を引く。裕子は握っていた携帯の画面に視線を戻し、高速スピードでボタンを打ち始めた。文字を打っているのだとしたらすごい速さだな、と思う。多分、わたしには真似できない。
鞄の中に手を入れたわたしは、折り畳み傘を見つけてホッとする。
少し退屈なので、わたしは席を立って窓の外を見た。登校してきた生徒達を、無心に眺めて、時間をやり過ごす。
今日の空は朝から灰色の雲がかかっている。今にも雨を降らせそうな怪しい天気だった。
教室に向かいながら、わたしは憂鬱な気分に陥っていた。憂鬱だと思うのはこの天気のせいもあるけど、大半は昨日のことが原因だった。
――折り畳み傘持ってきたっけ…。
あとででいいや。
教室に入ってから確認しよう。
わたしは教室の後ろから引き戸を開けて中に入る。裕子は既に教室に居たけれど、萩原くんはまだ来ていないようだった。わたしは安堵の息を吐いて、自分の席に向かう。
裕子はこちらに振り向いて、わたしに手を振った。この時間帯に裕子が教室に居るのは珍しいな、と思う。普段はわたしが先だけど、何故か今日は彼女の方が早かった。
「おはよう、麗美!」と、裕子は言う。
「おはよう。早いんだね、今日は」
「な~んか早く起きすぎたんだよねえ、今日」
「わたしもだよ。昨日変な時間にいっぱい寝ちゃった」
笑顔を浮かべつつ、席の上に鞄を置いて、椅子を引く。裕子は握っていた携帯の画面に視線を戻し、高速スピードでボタンを打ち始めた。文字を打っているのだとしたらすごい速さだな、と思う。多分、わたしには真似できない。
鞄の中に手を入れたわたしは、折り畳み傘を見つけてホッとする。
少し退屈なので、わたしは席を立って窓の外を見た。登校してきた生徒達を、無心に眺めて、時間をやり過ごす。