Sweet Love
でもそしたら、朱菜ちゃんは?
…どうしてこっちに居たのかな。
「朱菜ちゃんも、家こっちの方なの?」
「それはごめん。俺もわかんない」
「あたしも」
「…そっか。…兄ちゃん待ってるし、わたしそろそろ行かないと…。それじゃ帰るね」
「麗美、また明日ゆっくり話そうっ」
「うん。また明日」
「気をつけて帰れよ!」
「うん、じゃあね」
わたしは二人に手を振ると、歩き出してスーパーの駐車場から出た。
どうして萩原くんと朱菜ちゃんはスーパーに居たのだろう。彼女がこっちに遊びに来たのだろうか。
――あれ? でも、食材買ってたし…。
やっぱり、地元が一緒だっていう可能性も、…なくはない。
「……」
もうこれ以上考えるのはやめよう。いくら考えたって仕方のないことだ。
わたしは、頭からその思考を無理やり打ち消した。
***
玄関を見ると、優希さんのスニーカーが綺麗に揃えた状態で置いてあった。それを確認し、わたしはそのままリビングへ向かう。
リビングには、誰もいなかった。宿題をすると言っていたから、おそらく、兄ちゃんと優希さんは二階の部屋にいるのだと思う。
わたしは、先ほど買い物したビニール袋を探した。だが、どこにも見当たらない。
不意に台所の方に視線を向けると、台の上に、カレーの箱と野菜が綺麗に並べてあった。きっと、優希さんがやってくれたのだろう。兄ちゃんは絶対こんなことしてくれない。
――お礼にお茶でも持って行ってあげよう。そう思い立って、わたしはさっそくお茶を淹れる準備に取り掛かった。
お茶を淹れている途中、階段を下りる音が耳に入る。足音は一人だけのようだった。
兄ちゃんだろうか。それとも優希さんなのだろうか。
どちらだろうと気にしながら、わたしは扉に視線を巡らせた。
「おう。おかえり」
…なーんだ。兄ちゃんか。
「ただいま」
「お前、優希に荷物だけ持たせて寄り道したな? 一人でフラフラして何やってたんだ」
「……ごめん、兄ちゃん」
「まあ、あまり遅くならなかったからいいけど」
そう言って、兄ちゃんはさり気なく台所に入って来た。腕を組みながらわたしの手元をじっと覗き込んでくる。
「…あの、これ、お茶淹れたの。優希さんと兄ちゃんの分」
「サンキュ。今淹れようと思ってたからな。俺が持ってくわ、これ」
…どうしてこっちに居たのかな。
「朱菜ちゃんも、家こっちの方なの?」
「それはごめん。俺もわかんない」
「あたしも」
「…そっか。…兄ちゃん待ってるし、わたしそろそろ行かないと…。それじゃ帰るね」
「麗美、また明日ゆっくり話そうっ」
「うん。また明日」
「気をつけて帰れよ!」
「うん、じゃあね」
わたしは二人に手を振ると、歩き出してスーパーの駐車場から出た。
どうして萩原くんと朱菜ちゃんはスーパーに居たのだろう。彼女がこっちに遊びに来たのだろうか。
――あれ? でも、食材買ってたし…。
やっぱり、地元が一緒だっていう可能性も、…なくはない。
「……」
もうこれ以上考えるのはやめよう。いくら考えたって仕方のないことだ。
わたしは、頭からその思考を無理やり打ち消した。
***
玄関を見ると、優希さんのスニーカーが綺麗に揃えた状態で置いてあった。それを確認し、わたしはそのままリビングへ向かう。
リビングには、誰もいなかった。宿題をすると言っていたから、おそらく、兄ちゃんと優希さんは二階の部屋にいるのだと思う。
わたしは、先ほど買い物したビニール袋を探した。だが、どこにも見当たらない。
不意に台所の方に視線を向けると、台の上に、カレーの箱と野菜が綺麗に並べてあった。きっと、優希さんがやってくれたのだろう。兄ちゃんは絶対こんなことしてくれない。
――お礼にお茶でも持って行ってあげよう。そう思い立って、わたしはさっそくお茶を淹れる準備に取り掛かった。
お茶を淹れている途中、階段を下りる音が耳に入る。足音は一人だけのようだった。
兄ちゃんだろうか。それとも優希さんなのだろうか。
どちらだろうと気にしながら、わたしは扉に視線を巡らせた。
「おう。おかえり」
…なーんだ。兄ちゃんか。
「ただいま」
「お前、優希に荷物だけ持たせて寄り道したな? 一人でフラフラして何やってたんだ」
「……ごめん、兄ちゃん」
「まあ、あまり遅くならなかったからいいけど」
そう言って、兄ちゃんはさり気なく台所に入って来た。腕を組みながらわたしの手元をじっと覗き込んでくる。
「…あの、これ、お茶淹れたの。優希さんと兄ちゃんの分」
「サンキュ。今淹れようと思ってたからな。俺が持ってくわ、これ」