Sweet Love
やがて先生の説明が終わると、クラスメイト全員による自己紹介が始まった。
…わたしこういうの苦手。
前から順に自分の番が近付いてくるに連れ、胸に手を当てなくてもわかるぐらい心臓の音が飛び出しそうだった。
「松田裕子(まつだ ゆうこ)です。よろしくお願いします」
前の席の人が自己紹介を終えて座り直す。いよいよ自分の番だと思いながら、わたしはゆっくりと席を立ち上がる。
「い、石田麗美(いしだ れみ)でつ…です…。よ、よろしくお願いします」
噛んじゃったし…!
すごい恥ずかしい…。
先生とクラスの皆の視線が痛い。羞恥を覚え、顔が熱くなるのを感じた。
もういやだ。
とりあえず早く終わって欲しい。
わたしは力尽きたように椅子に腰を落とし、冷たい自分の両手を使って顔を覆った。
そのとき、後ろの方から「ぷっ」という噴きだすような声が、こちらに聞こえてきた。
――ぷっ…?
わたしが恐る恐る後ろを振り返ると、先ほどの男の子と目がばっちりと合う。
「思いっきり噛んでたね」
男の子は、面白おかしそうにわたしの顔を見て、静かに笑っている。その通りなので、反論するつもりもなかった。
――初日から最悪だ…。
せっかく手で冷やしたばかりの顔が、またぼっと熱くなってしまった。
…わたしこういうの苦手。
前から順に自分の番が近付いてくるに連れ、胸に手を当てなくてもわかるぐらい心臓の音が飛び出しそうだった。
「松田裕子(まつだ ゆうこ)です。よろしくお願いします」
前の席の人が自己紹介を終えて座り直す。いよいよ自分の番だと思いながら、わたしはゆっくりと席を立ち上がる。
「い、石田麗美(いしだ れみ)でつ…です…。よ、よろしくお願いします」
噛んじゃったし…!
すごい恥ずかしい…。
先生とクラスの皆の視線が痛い。羞恥を覚え、顔が熱くなるのを感じた。
もういやだ。
とりあえず早く終わって欲しい。
わたしは力尽きたように椅子に腰を落とし、冷たい自分の両手を使って顔を覆った。
そのとき、後ろの方から「ぷっ」という噴きだすような声が、こちらに聞こえてきた。
――ぷっ…?
わたしが恐る恐る後ろを振り返ると、先ほどの男の子と目がばっちりと合う。
「思いっきり噛んでたね」
男の子は、面白おかしそうにわたしの顔を見て、静かに笑っている。その通りなので、反論するつもりもなかった。
――初日から最悪だ…。
せっかく手で冷やしたばかりの顔が、またぼっと熱くなってしまった。