Sweet Love
第6章
「ねえ、どうする? 私服だって」
裕子が一枚のプリントに目を落としながら、わたしに話し掛けた。
「うーん…わたしは動きやすい格好で行くよ。だって山登るんでしょ」
「動きやすい格好ねえ…。何で制服とジャージあるのに遠足は私服なんだろう。…面倒なんだけど」
わたしの高校は一学年だけ、遠足という行事がある。
先ほどの帰りのホームルームでは、プリントが配られ、遠足の説明が行われていた。
プリントには日時と集合場所と内容の説明が記入されてあり、服装の部分には『私服』と書かれていた文字があった。
「制服だったら標的になることもあるだろうし、危ないからじゃないの」
わたし達の会話を聞いていたのか、萩原くんが話に割り込んだ。
「ああ、なるほどね」
裕子は何度か頷き、腕を組みながら感心している様子だった。
「萩原はどんな格好で行くの?」
「俺は…まあ、動きやすい格好で」
「二人して同じ答え出すし…」
そこでなんとなく萩原くんを見ると、目が合ってしまった。恥ずかしくなったわたしは慌てて視線を逸らした。
「俺は、ジャージで行くよ」
話の横から、牧原くんが割って入ってくる。
「あんたには訊いてない」
そして相変わらず、裕子は牧原くんに冷たい。わたしへの接し方と、牧原くんへの接し方とは明らかに異なっており、大きな差が開いていた。
「あ、ちなみに学校のジャージじゃなくて、」
「だから、訊いてないってば」
裕子が一枚のプリントに目を落としながら、わたしに話し掛けた。
「うーん…わたしは動きやすい格好で行くよ。だって山登るんでしょ」
「動きやすい格好ねえ…。何で制服とジャージあるのに遠足は私服なんだろう。…面倒なんだけど」
わたしの高校は一学年だけ、遠足という行事がある。
先ほどの帰りのホームルームでは、プリントが配られ、遠足の説明が行われていた。
プリントには日時と集合場所と内容の説明が記入されてあり、服装の部分には『私服』と書かれていた文字があった。
「制服だったら標的になることもあるだろうし、危ないからじゃないの」
わたし達の会話を聞いていたのか、萩原くんが話に割り込んだ。
「ああ、なるほどね」
裕子は何度か頷き、腕を組みながら感心している様子だった。
「萩原はどんな格好で行くの?」
「俺は…まあ、動きやすい格好で」
「二人して同じ答え出すし…」
そこでなんとなく萩原くんを見ると、目が合ってしまった。恥ずかしくなったわたしは慌てて視線を逸らした。
「俺は、ジャージで行くよ」
話の横から、牧原くんが割って入ってくる。
「あんたには訊いてない」
そして相変わらず、裕子は牧原くんに冷たい。わたしへの接し方と、牧原くんへの接し方とは明らかに異なっており、大きな差が開いていた。
「あ、ちなみに学校のジャージじゃなくて、」
「だから、訊いてないってば」