Sweet Love
氷のうを持ったあゆみ先生が前に立つと、わたしの胸元辺りの名札を見て言った。
「はい、どうぞ。――石田さん」
「あ、…ありがとうこざいます」
わたしが手に受け取ると、あゆみ先生は一旦デスクに戻った。
「先生、ちょっと出るからゆっくりしてていいからね」
「…あ、はい。すみません」
「何があったかは...無理に訊かないから安心して」
控えめににこりと微笑みながらそう言うと、ノートパソコンを手に持ったあゆみ先生は、保健室を出て行った。
もしかしたら気を利かしてくれたのかも知れない。
「麗美、ちゃんと冷やさないと」
「あ、うん」
わたしは、一番痛む左頬に氷のうをぴったりとくっ付けた。
「一体何があったの?」
わたしは二人に、これまでの経緯を簡潔に説明した。
わたしが萩原くんを好きだという気持ちも。朱菜ちゃんとの今までの出来事も全て。最初に二人を応援すると言っておきながら、本当は嫌だった気持ちも、苦しくて辛い気持ちも二人に打ち明けた。
裕子と牧原くんは、途中途中相槌を打ちながら、真剣にわたしの話を聞いてくれていた。
「……萩原、奪っちゃえば?」
「え…」
「そうだよ。奪っちゃえって」
「え、そんなの無理だよ…」
「花咲さん気にするより、萩原の気持ちが、…重要だと思わない? 萩原がどう思うかってところがさ」
「あんた、顔に似合わず、珍しく良いこと言うんじゃない」
裕子は、牧原くんの肩をぺちっと叩いた。
「だろ?」
「……」
「はい、どうぞ。――石田さん」
「あ、…ありがとうこざいます」
わたしが手に受け取ると、あゆみ先生は一旦デスクに戻った。
「先生、ちょっと出るからゆっくりしてていいからね」
「…あ、はい。すみません」
「何があったかは...無理に訊かないから安心して」
控えめににこりと微笑みながらそう言うと、ノートパソコンを手に持ったあゆみ先生は、保健室を出て行った。
もしかしたら気を利かしてくれたのかも知れない。
「麗美、ちゃんと冷やさないと」
「あ、うん」
わたしは、一番痛む左頬に氷のうをぴったりとくっ付けた。
「一体何があったの?」
わたしは二人に、これまでの経緯を簡潔に説明した。
わたしが萩原くんを好きだという気持ちも。朱菜ちゃんとの今までの出来事も全て。最初に二人を応援すると言っておきながら、本当は嫌だった気持ちも、苦しくて辛い気持ちも二人に打ち明けた。
裕子と牧原くんは、途中途中相槌を打ちながら、真剣にわたしの話を聞いてくれていた。
「……萩原、奪っちゃえば?」
「え…」
「そうだよ。奪っちゃえって」
「え、そんなの無理だよ…」
「花咲さん気にするより、萩原の気持ちが、…重要だと思わない? 萩原がどう思うかってところがさ」
「あんた、顔に似合わず、珍しく良いこと言うんじゃない」
裕子は、牧原くんの肩をぺちっと叩いた。
「だろ?」
「……」