Sweet Love
第8章
「…さむ、い…」
…わたし、あのまま寝ちゃったんだ。
お風呂上りのあとに眠ってしまったせいか、起きたばかりの体は、あまりの寒さに震え上がっていた。 このままでは、風邪を引いてしまう。部屋の時計を見上げると、二三時を指していた。
しっかりと握ってあった携帯をふと見ると、受信ランプがチカチカと点滅を繰り返している。画面には、新着メール一件のお知らせが表示されていた。
受信メールを開くと、『ありがとう』という短い文字が並んでいる。萩原くんからのメールだ。
―― そう言えば、さっき、まだ送ってなかったはず…。
まさかと思い、送信ボックスを確認してみる。
すると案の定、本文なしで送信してあった。
もしかして、寝ている間に誤って押してしまったのだろうか?
「……っ」
わたしは枕に顔を埋め、頭を抱えた。
どうしよう。やってしまった。何か一言添えて送ろうと思っていたのに。
そんなとき、携帯の着信音が耳元に鳴り響いた。わたしは、反射的にガバッと顔を上げ、携帯の画面を凝視する。相手は、萩原くんからだった。
何で急に電話? と、頭が混乱状態に陥る。 だが、早く出ないと電話が切れてしまう。掛け直す勇気もないし、今出た方がある程度は緊張を軽減できる。わたしは、ドキドキしながら通話ボタンを押した。
「も、もしもし…」
勝手に胸の鼓動が高鳴る。心臓に手を当てなくてもわかるくらい速い。
『もしもし。…寝てた?』
電話の声は、何かいつも聞いている声とはちょっと違う。普段と違って、切なげな声をより深くしたようなそんな声だった。
「…え、わかるの?」
『声、掠れてる』
いつもより低い声に、ドキッとする。
「さっき、…寝ちゃってたから。どうしたの? 電話なんかして…」
『急で悪いんだけど、明日、石田空いてる?』
萩原くんの急なお誘いに、頭が付いていけない。最初何を言われたのか、すぐには理解できなかった。少し遅れて漸く理解したわたしは、シーツをギュッと握った。
「えっ…あ、あ、うん。…空いてるよ」
『さっき、牧原と話してたんだけど、松田と石田も入れて四人で遊びに行かないかって話してたんだ。…石田も行く?』
…わたし、あのまま寝ちゃったんだ。
お風呂上りのあとに眠ってしまったせいか、起きたばかりの体は、あまりの寒さに震え上がっていた。 このままでは、風邪を引いてしまう。部屋の時計を見上げると、二三時を指していた。
しっかりと握ってあった携帯をふと見ると、受信ランプがチカチカと点滅を繰り返している。画面には、新着メール一件のお知らせが表示されていた。
受信メールを開くと、『ありがとう』という短い文字が並んでいる。萩原くんからのメールだ。
―― そう言えば、さっき、まだ送ってなかったはず…。
まさかと思い、送信ボックスを確認してみる。
すると案の定、本文なしで送信してあった。
もしかして、寝ている間に誤って押してしまったのだろうか?
「……っ」
わたしは枕に顔を埋め、頭を抱えた。
どうしよう。やってしまった。何か一言添えて送ろうと思っていたのに。
そんなとき、携帯の着信音が耳元に鳴り響いた。わたしは、反射的にガバッと顔を上げ、携帯の画面を凝視する。相手は、萩原くんからだった。
何で急に電話? と、頭が混乱状態に陥る。 だが、早く出ないと電話が切れてしまう。掛け直す勇気もないし、今出た方がある程度は緊張を軽減できる。わたしは、ドキドキしながら通話ボタンを押した。
「も、もしもし…」
勝手に胸の鼓動が高鳴る。心臓に手を当てなくてもわかるくらい速い。
『もしもし。…寝てた?』
電話の声は、何かいつも聞いている声とはちょっと違う。普段と違って、切なげな声をより深くしたようなそんな声だった。
「…え、わかるの?」
『声、掠れてる』
いつもより低い声に、ドキッとする。
「さっき、…寝ちゃってたから。どうしたの? 電話なんかして…」
『急で悪いんだけど、明日、石田空いてる?』
萩原くんの急なお誘いに、頭が付いていけない。最初何を言われたのか、すぐには理解できなかった。少し遅れて漸く理解したわたしは、シーツをギュッと握った。
「えっ…あ、あ、うん。…空いてるよ」
『さっき、牧原と話してたんだけど、松田と石田も入れて四人で遊びに行かないかって話してたんだ。…石田も行く?』