世界が黄金に輝くとき
木の側まで行くには、小さな茂みを跨がないといけない。


「よっこらしょっと!」
お転婆な性格が顔を出し、勢いよく茂みを跨いだ。


「わぁぁ!!」


地面に着地した瞬間、何かに躓き転んでしまった。


「いったーい。もう何なのー。」
と独り言を言っていると、、


「痛てぇ。」


どこからか低い声が聞こえてきた。


その声が自分の下から聞こえてきたことに気が付くのは
時間の問題だった。


おそるおそる下を見ると、、


「きゃぁぁぁ!!あ、あんた誰?!」


「んなことよりどけ。重い。」


「あっ」


私は急いでその人から退いた。


夕日の光がイチョウの木を美しい黄金に染めている。


その人がゆっくりと起き上がり顔を上げる。


その時ザワザワっと
まるでイチョウの葉が風で靡く如く私の心が揺れた。


これが、全ての始まりだった。









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