最低男子
紗菜が、シェアハウスを退去し、バイトを辞めて地元に帰ったから数ヶ月経った頃。
店長に、
「紗菜ちゃん戻ってこれないかな」
と、
俺に言ってきた。
「しらねぇっす」
「LINEしといて。俺、もう行かないと」
「無理っす」
「じゃ、休まないでな。陸」
休まないでな。
って、俺はこれが本業じゃないんだが…
この店に選手生活の提供をしているからこそ、それ以上の抵抗は出来ず…仕方なく、紗菜に電話をした。
『久しぶり、陸』
「店長が働いてほしいって」
『何で私ばかりに働かせるの?』
「好きなんじゃん?」
『嫌だ』
「自分で伝えて。それだけ、じゃな。」
と、
要件だけ伝えて電話を切った。
正直、紗菜がいてくれたら助かるけど…そこまで、紗菜にこだわる意味がわからない。
店長は、
紗菜が好きなのかなと本気で思えてくる。
それとも、何か企んでるのかな。
もう、5年以上の付き合いだけど未だに掴めない。
後日、改めて、紗菜が働く事を伝えられた。
紗菜が、
お店で働くことになった経緯はこんな感じ。