最低男子
『陸、来て』
「終わったらな」
『…ぅん』
陸に別れを告げたあの頃は、本当に嫌いで仕方なかった。
こんな男と…
もう二度と会うもんかと思ってた。
けど、昨日から今日にかけて…見たくなかった陸の一面を見てしまった。
優しさだったり、男らしさ。
その姿を見た瞬間に大地の事を忘れ、陸に思いを持ってしまった。
『だめだめ』
と、
思っても止められない想いだった。
抱きしめられたあの感覚を思い出すと、安心感は大地の倍はある気がする。
さすが、年上の包容力。
考えるだけでキュンキュンしてしまった。
ダメなところも、馬鹿なところも、あるけど…それも含めて好きなのかもしれない。