最低男子
陸が帰ってきたのは2週間後だった。
ずっとサーフィンしていたのがわかるくらい、真っ黒な陸になっていた。
まさに、
海の男って感じで、カッコよかった。
『おかえり』
「おっ」
と、言いながら自分の部屋に向かう陸の後を着いて行った。
閉めようとしたドアを、押さえて私も入ろうとしたら「何?」と、不機嫌全開だった。
『陸と少し話したい』
と、言った。
私の勇気を称えてほしいけど、そんな事言っている場合ではない。
「何?」
『陸は華さんの事、もう吹っ切れてるの?』
「吹っ切れてないように見える?」
『ただ、聞きたかっただけだけど』
「もう何とも思ってない」