俺のだ、って言っちゃうよ?



「KAruMAはね、好きなブランドじゃなかったんだ、正直。それ知ってたから俺も関わらなかった」


「そうなの?」


「社長の経営方針がうちと合わなくてさ、根本的に。向こうは数字でナンボ、でしょ」


確かに先代の社長はお客様第一で、その方針に着いていきたくて頑張ってこられた。


ただその反面、社長と副社長の間で行き違いがあり、雲行きが怪しくなったこともある。


強引な代替えをしたことで、彼の言うように数字第一になってしまった。


若いけれどその辺りはしっかりしてるんだと感心した。


タクシーでナオキ君のマンションの部屋に帰った私たち。


有名とは言ってもまだ若い。


家を出て独立はしているけれど、自分の稼ぎで借りている部屋だということで、わりと庶民的な場所だ。



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