浅葱の贖罪
またもや直感的な感じであるが、この少女は嘘を吐いているのだと。

「…そうか。では、試衛館にくるか?」

「…えっ?」
少女は驚いた顔をしていた。

「悪いようにはしない。心配はあるだろうが、女中の仕事をしてくれればよい。」

「ほ、本当にいいのですか?身元も何も分からない女子なのですよ。」

「その気か。心配には及ばないぞ。最近人手が足りなくて困っていると義母(ぎぼ)が嘆いていたからな。」


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