浅葱の贖罪
私は勇さんと現代で言うデートに出掛けた。
勇さんはさりげなく私を気遣ってくれ、とても楽しい時を過ごした。

勇さんは、私に綺麗な簪(かんざし)を買ってくれた。
誰かに何かを貰うのは、こんなにも嬉しいことなのか。
いや、勇さんだからこそ、私は心が、満たされた気持ちになったのかも知れない。

そして、私は、勇さんとキスを交わした。私のファーストキスは、甘く、暖かった。

しかし、あの甘味な時間は長くは続かなかった。

私はデートの後、いつものように、風呂の湯加減の調整をしながら、勇さんと話した。

私は勇さんと一緒にいる時間を大切に過ごした。それは、今まで経験したことのない、愛おしいという気持ちからだった。




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