浅葱の贖罪
「先生、今日は、早いですね。」
私がそう声をかけると、先生は、険しい表情で言った。

「葉月、久坂玄瑞の子をとりあげたか?」

先生は、元々、幕府が後援する昌平坂学問所で、医学を学んでいた。

そのため、幕府への忠誠心は強く、新選組に協力することも、多々あった。

だが、敵とは、言えど、医者として、怪我人を助けないこともできず、久坂玄瑞を診療所で診た。



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